現在主流の4Gに変わる、次世代型通信規格「5G」が2020年から商用サービス化されますね。
この5Gは通信がより高速・大容量になるだけでなく、IoTの加速や、遠隔操作による医療の発達など、私たちの生活やはたらき方までもガラッと変えるであろう、そんな可能性を秘めています!
そんな5Gを実現するための技術の1つとして、「ビームフォーミング」や「ビームトラッキング」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
今回の記事は
・ビームフォーミングやビームトラッキングとは
・なぜ5Gでこの技術が必要なのか
を解説していきたいと思います!
ビームフォーミングとは
私たちが普段通信するには、電波をとらえる必要があります。
そしてこの電波と言うのは、アンテナを中心に同心円状に広がっていきます。水面に石ころを投げたときに広がる波紋のようなイメージです。
そして距離が遠くなるほど電波は弱まりますので、繋がりにくいといった問題がありました。
それが「ビームフォーミング」では通信対象の機器をとらえると、レーザービームのように細く長い電波をとばします。
それによって、遠くにいる人でも安定的に通信ができるようになります!
そしてその電波は1ユーザに1つのアンテナを割り当てられるので、人が密集している場所でつながりにくいといったことが無くなり、安定的に高速通信が可能になります。
ビームトラッキングとは
ビームトラッキングとは、ビームフォーミングに追従機能がついたものと思っていいでしょう!
スマホを使うときは一定の場所でずっと使うわけではないですよね。
私たちが移動したとしても、それを追いかけるようにレーザー状の電波が調整してとらえるのがビームトラッキングという技術になります。
しかしいくら電波を細く遠い距離に向けたとしてもいつかは限界がきます。そんな届かない距離でも途切れないようするために、他のアンテナに受け渡しするのを「ハンドオーバー」といいます!
KDDIがビームトラッキングとハンドオーバーについて分かりやすい動画を提供しているので、コチラをご覧ください。
なぜ5Gに必要な技術なのか
ビームフォーミングやビームトラッキングがどんな技術かなんとなく理解できたでしょうか?
ではなぜ5Gを実現させるために必要なのか、それは電波の特性がカギになります!
もう少し深堀りしていくことにしましょう。
電波のキホンを知ろう
電波は音や光のように、波となって空間を伝わります。
画像のように、山が高くなったところから次の山までの間隔を「波長」といいます。
そして1秒間に波打った数を「周波数」といい、単位は「Hz」で表されますね。
電波は周波数によって性質が大きく変わる
電波の伝わる速さは1秒間に約30万㎞と、自然界では光と同じ1番速いスピードで伝わります。
しかし周波数で見てみると、10kHz~3THzまでさまざまで、その周波数によって性質が大きく変わっていきます。
上の画像を見てもらえると分かるように、周波数が異なることによって特性が変わり、
・低周波だと、情報通信量は少ないが障害物に強い
・高周波だと、情報通信量は多いが障害物に弱い
このような特徴があります。
そして5Gは3.7GHzと4.5GHz、最高で28GHzと従来の携帯電話で使用している周波数より、高周波になります。
そこで問題になるのが、直進性が高い特性による障害物とカバー範囲が狭くなることです。
これを解消するために、「ビームフォーミング」と「ビームトラッキング」技術を確立させようとしているのです!
まとめ
これまでの説明をまとめますと、
・ビームフォーミングとは通信対象の機器をとらえると、レーザービームのように細く長い電波をとばす技術のこと
・受信対象を追いかけるようにレーザー状の電波が調整してとらえる技術をビームトラッキングという
・移動しても通信が途切れないようするために、他のアンテナに受け渡しするのを「ハンドオーバー」という
・5Gは高周波でカバー範囲が狭いという問題を解消するために、この技術が必要になる。
となります。
「ビームフォーミング」と「ビームトラッキング」が5G通信を実現するのに必要な技術の要素であることが理解できたでしょうか?
2020年の商用サービスに向けて着々と5G用の高度特定基地局も設置されつつあります。
その基地局にはこの技術が盛り込まれているのかという視点で見れれば面白いですよね。
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