遅延を改善して高速通信!5Gで期待される技術Massive MIMOとは?

4Gに変わる次世代通信規格5Gですが、その特徴である「超高速・大容量」「低遅延」「多接続」を実現するため、Massive MIMO(マッシブ・マイモ)という技術が注目されてます。

各キャリアともこの技術を5Gでも活用しようと研究や実験が進められています。

そんなMassive MIMOですが、一体どういったものかいまいち理解できないという方向けに

・一体どんな技術なの?

・何が改善されるのか

を説明していきます!

Massive MIMO(マッシブ・マイモ)とは?

Massiveとは直訳すると、「大規模な」「巨大な」という意味であり、「大規模なMIMO」という事になります。

ではMIMOとはどういった技術なのか、大規模になることでどうなるかをもう少し掘り下げていきましょう!

MIMO(マイモ)とはどんな技術なのか

MIMO(Multi Input Multi Output)の頭文字をとってMIMO(マイモ)と言われています。

これは複数のアンテナを使ってデータの送受信を行う技術のことです!
送信側も受信側もアンテナの本数を増やせば、一つ当たりの通信量を分散することで負担がへるので、結果的に通信速度を安定的に速くすることができるのです!

この動画を見てもらうとなんとなく通信速度が速くなるイメージが湧くと思います。

この動画の冒頭にあるとおり、通信の接続状態は道路の混雑状態と似ており、道路1本に車が密集すると渋滞が起きてしまいます。

これを複数の道路(アンテナ)に変えることでスイスイと快適になることが想像できますよね。

現在では「2×2MIMO」「4×4MIMO」がありますが、もちろんこの数字が大きくなるほど、より安定して高速通信が可能となります。

これがMIMOという技術です!

Massive MIMOになるとさらに高速通信に!

従来は4本のアンテナ、最大でも8本まででした。

ところがMassive MIMOでは小型の超多素子アンテナをマトリクス状に配置することで、128本のアンテナを搭載することができました!

画像引用:Technical Journal – NTTドコモ ホーム

「ビームフォーミング」という技術も導入できる

5Gを実現するための課題の一つに、広い範囲をカバーできるかというものがあります。

従来のスマホ通信に使われる周波数帯域は300MHz~3GHz(4Gでは700MHz帯、2.0GHz帯が主流)でした。

しかし次世代である5Gはというと、3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯と、どれも高周波になっています。

周波数の特徴として、高周波になるほど直進性が高く障害物に弱い性質を持っているので、数多くのアンテナを設置する必要があります。

ところがMassive MIMOのようにアンテナ素子を水平垂直に並べることで、レーザービームのように細く長い電波をとばすことができます。それを応用することで、1ユーザに1つのアンテナを割りあてようという考えが「ビームフォーミング」という技術です!

Massive MIMOによって改善されること

Massive MIMOにより、
・安定的に高速通信ができる
・ユーザ1人1人に電波が割り当てられる
の2つがあります。

これにより得られるメリットとしては、遅延がなくなることです!

大きなライブ会場や、繁華街では通信しづらいという経験はあるでしょうか?
それは1つの電波を皆で共有していたので、負担が重くなっているからなんです。

それがMassive MIMOにより、ユーザの密集に関係なく快適に通信できるようになると言われています!

まとめ

これまでの説明をまとめますと、

・MIMOとは複数のアンテナを使ってデータの送受信を行う技術のこと。

・Massive MIMOにより128素子もの大規模なアンテナを搭載することで、安定的に高速通信が可能に。

・ビームフォーミングなど、様々な技術も応用できる。

・ユーザの密度に関係なく安定的に高速通信できるようになる。

となります。

Massive MIMOが5G通信を実現するのに必要な技術の要素であることが理解できたでしょうか?

2020年の商用サービスに向けて着々と5G用の高度特定基地局も設置されつつあります。
その基地局にはこのMassive MIMO技術が盛り込まれているのかという視点で見れれば面白いですよね。

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